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東京高等裁判所 平成11年(行コ)82号 判決 2000年1月26日

控訴人

大谷享子

控訴人

大谷キミ

控訴人

中村美嘉子

控訴人

大谷裕巳

右四名訴訟代理人弁護士

山田二郎

土屋東一

岩崎淳司

佐藤貴夫

五十嵐チカ

被控訴人

渋谷税務署長 中村敏明

右指定代理人

小池充夫

笹崎好一郎

横尾輝男

森重良二

主文

一  本件控訴をいずれも棄却する。

二  控訴費用は、控訴人らの負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が、亡大谷貴義の死亡により平成三年五月一七日に開始した相続に係る相続税につき、控訴人大谷享子に対していずれも平成六年一一月一四日付けでした控訴人大谷享子の更正の請求につき更正をすべき理由がない旨の通知処分及び課税価格九億九八五九万七〇〇〇円、納付すべき税額六億〇六七四万八三〇〇円とする更正のうち、課税価格六億二三五九万七〇〇〇円、納付すべき税額三億七八一五万三八〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定を取り消す。

3  被控訴人が平成五年分の贈与税につき、控訴人大谷キミに対して平成六年一一月一四日付けでした、課税価格三億七五〇〇万円、納付すべき税額二億五一一八万円とする決定及び無申告加算税の賦課決定を取り消す。

4  被控訴人が平成五年分の贈与税につき、控訴人中村美嘉子に対して平成六年一一月一四日付けでした、課税価格五二二〇万円、納付すべき税額二七六四万円とする決定及び無申告加算税の賦課決定を取り消す。

5  被控訴人が、亡大谷貴義の死亡により平成三年五月一七日に開始した相続に係る相続税につき、控訴人大谷裕巳に対して平成六年一一月一四日付けでした課税価格一二億三〇七一万円、納付すべき税額七億四七九五万六五〇〇円とする更正のうち課税価格一一億一六三一万円、納付すべき税額六億八三四八万六八〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定を取り消す。

6  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文同旨

第二事案の概要

原判決の「事実及び理由」の「第二 事案の概要」(原判決書七頁三行目から同四八頁末行まで)のとおりであるから、これを引用する(但し、原判決書一一頁二行目の「第五号証」の次に「、弁論の全趣旨」を加え、同頁六行目の「積極」を削り、同二五頁二行目の「五二二〇万円」の次に「(控訴人美嘉子関係)」を加える。)。

第三当裁判所の判断

当裁判所も、控訴人享子に対する通知処分の取消しを求める訴えは不適法であるから却下し、控訴人享子のその余の訴えに係る請求及びその余の控訴人らの各請求はいずれも理由がないから棄却すべきものであると判断する。その理由は、原判決の「事実及び理由」の「第三 争点に対する判断」(原判決書四九頁五行目から同八三頁七行目まで)のとおりであるから、これを引用する(但し、原判決書七七頁九行目から同七九頁八行目までを削る。)。

なお、控訴人らは、本件相続人らがした第二次の遺産分割協議の真意は遺産分割のやり直しであると強調し、第二次遺産分割は第一次遺産分割と一体として遺産分割であるから、吸収一体的な関係にあるか、ないしは第一次遺産分割の一部解除がされたと解すべきであると主張し、当審において甲第八ないし第一二号証を提出するが、これらを検討してみても、前記の認定、判断を左右するに足りるものではない。また、控訴人らは、最高裁判所昭和六二年一月二二日第一小法廷判決(裁判集民事一五〇号六五頁)及び最高裁判所平成二年九月二七日第一小法廷判決(民集四四巻六号九九五頁)により本件通達は適用力を失っていたと主張するが、本件通達は右各裁判例の内容と抵触するものでなく、控訴人らの主張は独自の見解といわざるを得ず、採用することができない。

第四結論

よって、原判決は相当であって、本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六七条一項、六一条、六五条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(口頭弁論の終結の日・平成一一年一二月一日)

(裁判長裁判官 瀬戸正義 裁判官 大島崇志 裁判官 河野泰義)

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